心を込めて編んだウール100%のマフラーを、今日、友人に手渡してきました。
このマフラーが生まれるきっかけは、ある日の何気ない会話でした。
私が手編みのベストを着ていたとき、彼女が「それ、素敵ね」と声をかけてくれたんです。
「自分で編んだんだよ」と伝えると、驚きとともに「えっ、そんなことできるの?すごい!」と目を輝かせて。そこで、「手編みのマフラーならもっと簡単に作れるよ」と話したら、「お願い、私に作ってほしい」と。
その一言が、私の心に火を灯しました。
「彼女に似合うマフラーを作りたい」
そう思った瞬間から、私の頭の中で色やデザインのイメージが次々と浮かびました。友人からは深みのあるグリーンがいいわと言われていました。彼女の落ち着きと芯の強さ、そして柔らかな雰囲気にぴったりだと感じました。
長さは二重に巻けるくらいで、冬の寒さから包み込むように守ってくれるもの。そしてなわ編みを取り入れて、少しだけ遊び心と上品さを加えました。
毛糸を手に取った瞬間から、これはただの「もの作り」ではないと感じていました。
彼女の笑顔を思い浮かべながら編み目を一つずつ重ねていくと、まるで私の心もそのマフラーに織り込まれていくような感覚になりました。指先で毛糸の柔らかさを感じるたび、想いがますます深まっていきます。
製作中も「こんな感じで進んでるよ」と写真を送ると、「すごい!楽しみ!」と彼女から返信が。そんな彼女の言葉が嬉しくて、編む手が止まりませんでした。
そしてついに完成したマフラーは、約18㎝×140㎝。並太の毛糸を約3玉使い、丁寧になわ編みを入れたウール100%の一品。仕上がりを見て「きっと喜んでくれる!」と胸が高鳴りました。
いよいよ、手渡しの日がやってきました。
少し緊張しながらマフラーを差し出すと、彼女の目がキラキラと輝きました。
「わぁ…すごい!こういうのが本当に欲しかった!」その言葉に、私の胸はじんわりと熱くなりました。彼女はその場でマフラーを首に巻き、「暖かい!全然ちくちくしないし、完璧!」と満面の笑みを見せてくれました。その笑顔が、本当に本当に嬉しかったんです。
さらに彼女は、「これ、売ってほしい!値段を教えて」と言ってくれたのです。
「毛糸代だけで十分だよ」と答えると、なんと提示した金額の5倍のお金を渡してくれました。「これだけ心がこもったものに、ちゃんとした価値をつけたい」と。
その瞬間、胸にじわっと熱いものが込み上げました。
私が編んだものが、こんなに喜ばれる。こんなにも価値を感じてもらえるなんて。「ものを作る」という行為が、誰かの心を動かすことなんだと実感しました。
彼女の言葉と笑顔は、私の中に新しい気持ちを芽生えさせました。「編むこと」はただの趣味じゃない。誰かの人生に温かさや幸せを届ける、大切な仕事なんだと。
プロの職人のように、心を込めて、一つひとつ丁寧に。そんな気持ちでこれからも編み続けたい。
彼女の笑顔を思い出して、そう感じています。
この手編みマフラーは、ただの「もの」ではありません。
私と彼女の絆が詰まった、小さな奇跡のような存在。
その奇跡をまた誰かと分かち合うために、私はこれからも編み続けたいと思います。
オーダーメイドの手編みマフラー承ります。
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