起業初心者必見!補助金申請と開業届で気をつけたいポイントとは?

人生の生き方

はじめての起業は、「小さな夢の芽」を育てるようなもの。

わくわくする気持ちとは裏腹に、目に見えない壁や制度の複雑さに戸惑う瞬間もやってきます。

私も、中津市の女性起業家支援事業(arch)に参加したことをきっかけに、補助金や開業届のことを真剣に考えるようになりました。

中津市の女性起業家支援事業(arch)に参加した記事はこちら

「特定創業支援等事業」という制度の条件にあてはまるとわかり、市役所の窓口へ相談に行ったのですが、そこで思わぬ現実に直面しました。

今日は、その経験を通じて気づいた起業初心者が知っておきたい落とし穴と、対策についてお伝えします。

特定創業支援等事業とは?(中津市の場合)

中津市における「特定創業支援等事業」は、中津市および連携創業支援者が創業者に対し「経営」「財務」「人材育成」「販路拡大」の4分野の知識を身につけるために、原則1か月以上の期間をかけて4回以上継続的な支援(セミナーや個別指導)を行う事業です。

受講後には中津市が「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」を発行し、この証明書を利用して会社設立時の登録免許税の軽減や創業関連融資の特例などの優遇措置を受けることが可能です。

中津市では「女性起業家支援事業(arch)」や「創業・新規事業構築セミナー」などの対象セミナーが計画・実施されています。証明書の交付申請は中津市役所の企業立地・雇用対策課で行い、条件や必要書類の提出が必要。

市役所でわかったこと

あらかじめ詳しい話を聞く為、「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」に記入した申請用紙を手に、自信満々で窓口へ行きました。

「これで準備万端!」と胸を張っていたのですが、思わぬ一言に立ち止まりました。

「中津市の女性起業家支援事業(arch)のセミナーは全8回で、必須参加回も含めて7割以上の出席が必要です。すべて終えてからでないと『特定創業支援等事業による証明書』の交付はできません。」

そう言われたのです。

さらに追い打ち。

「12月の必須セミナー終了後の申請になりますが、年度予算がその時点で残っているかどうかは保証できません。もし予算が切れていれば、追加は出るかどうかも分からないんです。」

え?!驚きました。

archのキックオフの時には「補助金の申請にはセミナー参加が条件」と聞いていたので、素直に「参加すれば受けられる」と思い込んでいたのです。

けれど、実際には「予算が残っていれば」という条件付き。

期待していただけに、肩すかしを食らったような気分でした。

制度そのものはありがたいものであり、学びの場として大切な機会です。

でも「順番とタイミングを間違えると、せっかく動いても受けられない可能性がある」というのが現実なのだと身をもって知りました。

商工会議所での安心感と明らかになった事実

その後、納得がいかずに商工会議所にも足を運びました。

すると、こちらでは懇切丁寧に対応していただき、疑問点がすっと晴れていきました。

「市役所で伝えられたことが間違いではないけれど、どう進めばいいのか」

そこを一緒に整理してくれるだけで、不安がやわらぎ、前に進む力を取り戻せました。

やはり、起業にまつわる最初の相談窓口は「商工会議所」から、というのは大きなポイントだと感じました。

①明らかになった「補助金」と「開業届」の思わぬすれ違いについて

中津市商工会議所の担当者との会話から、起業時の補助金申請に関する重要な学びがありました。

特に、開業届や青色申告のタイミング、そして補助金の利用条件については、「事前に知っておけばよかった」と強く感じる点がいくつもあり、これから起業を考える方への教訓になると思います。

②知らなかったルール「対象は申請後の経費だけ」

補助金の対象になる経費は、「申請が採択された後に購入したもの」だけ。

私はすでに今年2025年の2月に開業届を出していて、パソコンなど、事業のために必要なものを先に揃えてしまっていました。
でも、それらは補助金の対象外ということになります。

更に「特定創業支援等事業」の補助金は、「開業から1年未満」という条件があったということ。(書類を見ても1年未満とは明記されていない為、納得がいかないところです)

「もっと前から知っていたら準備できたのに」更に「年度予算が無くなった場合、補助金申請が間に合わない可能性が高い」ということがわかり、なんとも言えない気持ちになりました。

③開業届と青色申告…焦りからの勘違い

もうひとつ、私が大きく勘違いしていたのが「青色申告の期限」です。

「3月15日までに開業届と青色申告承認申請書を出すこと」と思い込み、準備が整わないまま、焦って2月に開業届を出してしまいました。

所得税の青色申告承認申請書の書き方には、こう書いてあったからです。

最初に青色申告をしようとする年の3月15日まで(本年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをした場合には、その事業開始等の日から2か月以内)に提出してください。

でも実際は、事業を始めてから2ヶ月以内であれば青色申告ができるということを、商工会議所の担当者の方に聞いて初めて知りました。

担当者の方もこう言ってました。

「公式書類はわかりずらいですものね」って。

知っていれば、もっと落ち着いて準備できたのにと、この勘違いは悔やまれます。

尚、担当者から既に開業している事業者向けの「小規模事業者持続化補助金」についても聞くことができましたので、情報収集を進めようと思います。

情報は待っていても届かない

今回のことで痛感したのは、情報って待っていてもなかなか手に入らない、自ら調べなければ情報は入ってこないということ。

私自身、開業する前は、このような支援があることを全く知らず、情報収集もしていなかったのです。

会社員からゼロ知識で飛び込んだ私にとっては、なんだかとても不親切に感じました。

「知らない人は、ずっと知らないままなんだ」

そんな現実に直面した瞬間でもありました。

私が学んだ3つの教訓

この一連の経験から、起業初心者にぜひ伝えたいことがあります。

開業届を出す前に、何から始めたら良いのか、どのような支援があるのかを徹底的に情報収集することの重要性です。

お住まいの地域の商工会議所にまずは相談してみてください。

  1. 補助金申請は「後からでは間に合わない」ことがある
    補助金対象は審査決定以降の経費に限られる場合が多く、条件も「開業から1年以内」など時間制限あり。事前の情報収集は必須です。
  2. 開業届の提出は焦らないでいい
    青色申告は2ヶ月以内であればその年度から利用可能。焦って出すより、補助金やセミナーのスケジュールと合わせて戦略的に決めるのが大切です。
  3. 情報は「市役所より商工会議所」から
    市役所では制度の正確さは得られても、起業初心者が「今何をすればいいか」までは見えにくい。商工会議所ではその道筋まで寄り添ってもらえる安心感がありました。

補助金を受ける順序の一例

自分なりに整理した「おすすめの流れ」を書いてみます。

① 起業したい前年度に、市や商工会議所の支援セミナーに参加しておく。
② セミナーの要件を満たせそうになったら、開業届を出す。
③ その後に補助金へ申請を進める。

言い換えれば「補助金ありきの起業ではなく、補助金を味方につける準備を起業前からしておく」ことが何よりも大事。

最後に

起業は、誰にとっても初めてづくしです。

知らなかったことにぶつかるのは当たり前で、それは決して、失敗ではありません。

むしろ「知らなかったからこそ学べた」「準備の大切さに気づけた」そうやって一歩ずつ積み重ねていけるのです。

制度はあなたを縛るものではなく、味方につけられるもの。

息苦しさを感じたときも、どうか自分を責めず、立ち止まって深呼吸してみてください。

歩幅は人それぞれ。

あなたのペースで進んでも、大丈夫。